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2012年5月27日 (日)

日・タイ、マナー比較(ゴミ捨て)(後)

引き続き、タイでの話である。
自分の暮らす村は、村はずれ(家から500m程)から、さらに50m程、山を上った所に共同のゴミ捨て場がある。
自分は、運動だと思ってゴミ捨てに行っているので、少し遠い事も、上り坂も別に苦にならないが、山を上って行くのを嫌って(?)その手前でゴミを捨てる人が後を絶たない。
村の集会でも度々問題になっている(らしい)(妻からのまた聞き)。
ある時「あの日本人が(山の手前で)ゴミを捨てている」という噂が流れた。
そんな事は全く無いのだが、ゴミを捨てに歩いて行く姿を見て、「わざわざ山を上って行く筈がない。きっと手前で捨てているに違いない」という事になったのであろう。
自分としては、
「こっちは日本人。貴方達タイ人とは違って決められたルールは守りますよ」
「歩くのが嫌いな貴方達には理解出来ないかも知れないけれども、運動も兼ねて山を上っているのですよ」
と言いたかった。
しかしこの噂は、悪意のある噂というよりは、「村の事を知らない外国人のした事で、そのうち分かるさ」ぐらいの感じだった様な気がする。
もしかしたら、外国人のせいにしてしまえば村の誰も傷つかないし、相手は「村の事を良く知らない外国人だからしょうがない」という事になって、全て丸く収まると考えたのかも知れない。
だいたい村の人は、山の手前でゴミを捨てる事をそんなに悪い事だとは思っていないフシがある。その証拠にゴミは溜まる一方で、たまに焼却処分をしても、すぐまた一杯になる。
たぶん、村の人達は、ゴミを捨てる事にクレームを付けた人(土地の所有者?)を除いては、「そんな事どおでもいいじゃん、山を登って行くのは大変だからさ(と言っても、たかだか50m程なのだが)手前に捨てているだけだよ」「どうせ空地なんだし、誰も見ていないんだから」と思っている様な気がする。
しかし、日本では、そうゆう、いい加減な事は許されない。

再び日本での話。
ある時、(日本の家の)近所の人がクレームを付けに家へやって来た。
「お宅のゴミが、決められた曜日以外に捨てられている」と言う容疑である。
ゴミ袋の中身を調べて、ダイレクトメール等で住所・氏名を確認しているのだから間違いは無い。証拠として私の名前の書かれた通知を取り出して、「お宅の物ですよね」と言う。
タイでの場合と違って、こっちはしっかり裏を取り(証拠を持って)クレームを付けて来る。さすが日本人、推測だけで判断するいい加減なタイ人とは違う。
実は母の認知症が表面化して、最初に困ったのがこのゴミ問題であった。
認知症の方を身近に持つ人は分かると思うが、認知症になると、日付や曜日が分からなくなる。
しかし「朝はゴミを捨てる」という記憶はなかなか消えないので、朝になると日付や曜日に拘わらず、なかば条件反射的にゴミを捨てに行ってしまう。
その結果、ゴミの収集日以外に捨てられたゴミは数日の間、道路脇に晒される事になり、自分の家の近くにゴミを放置された人が怒るのは当然である。
この時は、クレームを付けて来た方に事情を説明して丁寧に謝罪し、「今後気を付けます」という事で帰って頂いた。
しかし、これを止めるのはなかなか大変であった。
母に事情を説明して、「指定された曜日以外にはゴミを捨てない様に」と言っても、「暖簾に腕押し」「糠に釘」状態で埒が明かない。
貼紙(目に付く所に「ゴミを捨ててはダメですよ」と書いた紙を貼った)をしたり、寝る前にゴミ袋を隠したり、色々試してみたが、どれも上手くいかない。
しょうがないので朝はいつも、母が家から出て行かないか、を注意していた。
高齢の母は朝が早く5時半頃には起きるので、6時頃、「バタン」と玄関の扉が閉まる音を聞くと、飛び起きて服を着、母を追いかけて行った事も度々有った。
普通は9時頃起きる自分としては、これは結構きつかった。
少し本題から横に逸れましたが、母はそのうち、火の始末が出来なくなり、さすがに危ないので、本人の希望も有り、介護施設へ移って貰った。なので今はこの問題は無い。

話が、あっち(日本)こっち(タイ)に飛びましたが、最後にまとめ(らしきもの)です。
要はゴミ捨てに関するマナーは「日本は厳格」「タイはいい加減」という、タイの事を良く知っている方が、たぶん、日頃思っている事と同じです。
別の言い方をすれば「ゴミ捨てに関するマナーは日本の方が(はるかに)良い」と言う事になる。
しかし、マナーが良い(厳格な)方が暮らし易いかと言うと、ちょっと迷う。
自分の場合は、むしろ、「タイのいい加減さ」の方に居心地の良さを感じる。
日本に居る時は、常に、「周囲に気を使わなくてはいけない」という気がして、堅苦しく感じられるが、タイに来て、タイ人のいい加減さを見ていると、「こっちもそんなに頑張ら無くてもいいか」という気持ちになって、気が楽になる。
最も、大都会の東京と、チェンライの片田舎では、だいぶ前提条件が異なるのだが。

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