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2013年5月29日 (水)

タイ暮らし、金を借りに来る日本人にはご用心

10年程前、まだバンコクに暮らしていた頃に、或る日本人に20万バーツ貸した事がある。
物腰の低い、とても紳士的な感じの方で、食品関係の事業をされている社長さんだった。
自分がバンコクで暮らす様に成って、1~2年経った頃の事である。
当時、バンコクで日本人の知り合いがポツポツ出来始めた中のひとりだった。
或るとき、彼が私の家(ラッチャダーのマンション)に来て、「頼みがある」と言う。「事業をやっていて、一時的に資金が不足した」「このままでは、商品の仕入れが出来ない」「売掛金があるので1ヶ月後には必ず返せるので、一時的にお金を貸して欲しい」という内容であった。
自分としては、此れから親しくお付き合いさせて頂こうと思っていた方達の仲間だったので、まさか返さない、なんて事はないだろうと思いお貸しする事にした。
本当は、ちゃんと返って来るか、少し不安はあったのだが、その時、たまたま余裕のあるお金を現金で(バーツで)持っていた事と、外国人には銀行もそう簡単にお金を貸してくれないだろうし、ここは日本人同士、助けてあげても良いのではないか、貸すといっても、一時的なもので1ヶ月もすればお金は戻って来るのだし、バンコクでの知り合いの輪を広げる為にも、20万バーツぐらいなら貸してもいい、と思った。
もし、返って来なかったら、その時は、自分が人を見る目が無かったと思って諦めよう、という事で、お貸しする事にした。
彼は、「借用書も書くし。金利もお支払いします」と言ったが、一応、借用書は貰ったけれども、「金利は要らないです、その代わり確実に返して下さい」と言って20万バーツ(当時のレートで大体60万円)を貸した。

しかし、結局このお金は返って来なかった。
20万バーツのお金が失くなったというのも痛かったが、それ以上に、心理的に辛っかたのは、彼が、その後も、のうのうと暮らして居た事で、いい車にも乗っていたし、他の仲間(?)とカラオケなどにも行って、結構お金を使っていたにも拘らず、自分には、ほんの少ししか返さなかった事である。
返済を催促すると、口調は丁寧なのだけれども、「今、金がない。~後には必ず返すから待ってくれ」との繰り返しで、それでは「車を売ってでも返してくれ」と言うと、「この車がないと商売が出来ない。しかも、この車も借金の抵当に入っているので売れない」と言う様なやり取りで埒があかない。
結局、3年間程催促し続けて、少しづつ、3万バーツ程は返って来たが、最後には1回の返済金額が100バーツになり、これでは完済までに百年以上も係る事になり、催促の手間の方が大変だし精神的な負担も大きいので、忘れる事にした。
法的手段に訴える事も考えたが、タイ国内で、日本人同士の金銭トラブルに、タイの法的手続きが可能なのかも分からなかったし、仮に出来たとしても、物凄く手間が係る割には得るものは少ないと判断したので、それはしなかった。

まあ、20万バーツ(少し戻って来たので、正確には17万バーツ)ぐらいの損失なら、株をやっていればよくある事なので、お金の事は比較的早く諦めがついたが、騙されたという心理的ダメージを払拭するのには何年もかかった(まだ、ちょっと悔しさは残っている)。
チェンライで暮らしている今、彼は自分の視界から消え去ったが、まだ生きて居るのか否か(生きて居れば67、8歳なので、まだ生きている可能性が高い)ちょっと気にはなる。
借金を踏み倒した後、何処かにトンズラしてくれた方が、自分の精神的ダメージは、余程、少なくて済んだという気がする。

元々、「自分は人を見る目がない」という事には、自信があったが、この事件は見事にそれを証明した。
最も、騙されたのは自分だけではなく、後から分かったのだが、数人の人が似た様な被害にあっていた。
始め、彼が金を借りる時に、「恥ずかしいから他の人には言わないで下さい」と言ったのは、彼の情報操作で、もしその話をすれば、自分のした事が皆にバレてしまい、次に誰かから借りる事が出来なくなる事を心配したのであろう。
しかし、皆さん、騙されても(?)暫くは彼と付き合っていた。
お金も全く返さないという訳ではなく、少しづつは返したし、小口の借金(1万バーツ)は完済した事もあるらしい。
しかし、最後は、皆で債権者集会を開き彼の家を売らせてでも、借金を回収しようという話にまでなった。
自分は、この時点では半ば諦めていたので、音頭を取った人に回収を一任したが、結局、家まで行ったがタイ人の奥さんに追い返されたらしい。
(この時、自分は既にバンコクを離れて、チェンライに越して来ていた)
自分の知っている範囲では、借金を踏み倒された人が4人、小口で返済して貰った人が1人、その他にも、ちょっと危ない筋からも借金していたらしい。借金を申し込まれたが断ったという人もいた。おそらくもっと大勢の人から借金をしていたと思われる。
それでも、暮らしていけるのがタイの不思議なところとも言える。

タイ人は、借りた金は返さない、というのはよく言われているので注意していた。
日本人を騙す日本人も居る、という事も聞いてはいたが、そんなに人を疑ってばかりいては楽しくない。多少のリスクはしょうがないと思っていたが、やはり騙されると悔しい。
タイに暮らして、10年以上にもなると、日本人同士の金銭トラブルも結構多い事が分かって来た。
タイ人との金銭トラブルも多いが、タイ人との場合は大概、奥さんや付き合っている女性が絡むが、日本人同士のトラブルは、同性の知り合い、それも騙される人よりも、先にタイに来た日本人が絡む場合が多い。
(タイ人女性とのトラブルに関しては、「タイ暮らし、タイ人嫁の金遣いにはご用心」を、ご参照下さい)
トラブルの種類としては、自分の場合の様に、借りた金を返さないとか、共同出資した事業や事業上の取引に関するトラブルとか、タイの相場を知らない日本人に土地や家を法外な値段で売りつける(基本的に日本人名義の土地の所有は出来ません)とか、結婚相手の紹介料に関するトラブル等がある。

逆に日本人で一番、安心感が持てるのは、年金をある程度以上貰っている人で、例えば、月額で10万バーツ以上(日本円で30万円以上)の年金がある人。
それより少なくても、年金の範囲内で生活していて、その範囲内でも十分に楽しめる生活スタイルを確立している人は安定感が感じられる。
こういう人達は、もちろんトラブルの加害者にはならないだろうし、被害者になる事も少ない気がする。

若干の危うさを感じるのは、年金があってもそれ以上に使っている人、少ない年金を目一杯使っている人、蓄えを取り崩して生活している人、タイで仕事や事業をして生活費を稼いでいる人達。
まあ、殆どの場合はどこかでブレーキが掛かって、過剰な出費は止まるのだろうけれども、思いもかけない様な不測の事態、例えばトラブルに巻き込まれて(一番多いのは配偶者との破綻)金銭的に行き詰まったり、トラブルに巻き込まれなくても、諸情勢の変化(為替レートの悪化や物価の上昇、ビザ要件の変更、本人の健康上の問題、資金の払底)、などによりタイでの生活が困難になる可能性もある。
また、これも殆どの人は当てはまらないと思うけれども、窮すれば鈍すで、必ずしも本人の明確な意思ではなくても、中にはトラブルの加害者の側に回る人も居るかも知れない。
(返せる積りで借りた金が、返せなくなるとか、相手に著しく不利な条件で、或いは虚偽の条件で、事業上の取引を行うとか)

何れにしても、外国で暮らすには、日本で暮らす以上に本人がしっかりし、自己責任で、資金の管理や健康の管理、その他諸々の危機管理や生活の管理をする必要がある。
邦人同士の助け合いもいいけれども、基本は自己責任である事を忘れてはならない。
(悪い人はそこに付込む)
そこさえ押えておけば、気ままなタイ生活を楽しむのも悪くないと思う。
(気まま、と言っても、完全にノー天気ではダメで、押さえるべきところは押えないといけない)


追記。

お金を貸してから2年程経ったある日、彼から電話が掛かって来て、「いい話があるから、会いたい」という。
この頃は、もうお金が返って来る事は、諦めかけていたのだが、もしかしたら、お金が出来て、借金が返って来るのかも知れない。
そう思って、期待して待ち合わせの場所に行ったのだが、彼が言うには、「いい仕事が取れそうで、餃子の自動製作機が有れば、毎月確実に利益が上がり、借金も返せる」と言う。しかし、その為には機械を買うお金が必要で、ついてはその、「前金の5万バーツだけでも貸してくれないか」という話だった。
これにはホントに頭に来た、「いったいどんだけ、バカにする気なんだ」、「自分はそんなにアホな奴だと思われていたのか」思わず殴りたくなる程の怒りを覚えた。
当然そんなもの貸す(騙し取られる)分けがない。
(盗人に追い銭)


2015/01/26(追記)

もし、知り合いから借金を申し込まれたらどうすれば良いか。
上の記事を書いた時点では、まだ、どおすれば良いか結論は得られていなかった。
しかし、今では、「基本的に貸さない」、と思う様になった。

上記の記事を書いた後、バンコクで別の知り合いから借金を申し込まれた事がある。
かなり親しい知り合い(少なくとも自分はそう思っていた)だったし、世話にも成っていた、きちんとした事業もやっていた。
しかし、それでも、貸さなかった。
その方には、自分がお金を貸して返って来なかった顛末を以前から、詳しく話していたので、それを理由に、「懲りたので、もうお金は貸さない事にしました」といって丁重にお断りした。

それ以降、交際を絶たれた。
自分が彼の事業所に行っても顔を出さなく成った。
貸していれば、暫くは交際が続いただろうが、その後はどうなっていたか分からない。
結局、この方、その後、事業所も閉鎖して(?)行方不明に成った(と言っても、きちんと行方を確認した分けではない)。

ネットの情報はいい加減なものが多いのは知って居るけれども、ちょっと調べたら、悪い書き込み(「貸した金を返さずに遁ずらされた」と言う様な書き込み)がしてあった。
(もし、事実と相違していたら、すいません。しかし、このブログの記事から個人を特定出来ないと思われるし、すでに行方不明に成って居るので、書かせて頂きました)
(それと、今思いだしたけど、8900バーツ程貸していた)

幸い、チェンライに来て8年に成るが、こちらでは借金を申し込まれた事は一度も無い。
しかし、周囲では、邦人同士の金銭トラブルもたまには有る様なので、この記事を読まれた方も注意は、した方がいい。少なくとも、どういう対応をするのか、心構えだけは持っておいた方がいいと思う。

自分の今の考えは、借金を申し込まれて断って、それで人間関係が悪く成れば、それはそれでしょうがない。
別に、相手を悪く思う(非難する)必要もないし、あくまで、自分の側の都合だと思えばいい。
借金を断っても人間関係が壊れなければ、それはそれで好ましい。

まあ、借金を頼んで来るのは普通、余程の事なので、相手のプライドを傷つけない様に、上手く断るのは、なかなか難しいだろうけれども、細心の注意を払って断っても、相手が機嫌を悪くすれば、それはそれでしょうがない、と思う様に成った。

まあ、もう少し本音を言えば、親族とか師弟関係の様な特殊な間柄を除いて、例えばタイで知りあって親しく成った程度(?)の関係では、大きなお金の貸し借りは、しない方がいいと思う。

細かいお金でも、例えば、何処かに出掛けて財布を落としたとか、そういう事情ならしょうがないけれども、今月の生活費がちょっと足りないとかの様な事なら、借金はするべきではない。
(幸い自分はこの様な借金の依頼を受けた事は無いが、チェンライでも寸借詐欺(?)の話は聞いた事がある)
自分など、「今、細かいお金が無いから、後で払う」程度の事でも、出来るだけ避けたいので、そういうケースが考えられる時は、事前に細かいお金を用意している。

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コメント

何人だろうと、金にだらしがないヤツはダメなヤツ。日本人なら同国人に借りれないレベルだから、借りに来たのでは?
借りに来る時点で、関係は切る方がいい。

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